脳の仕組みを知り、味方に付ける方法

私たち人間が目の前に見ている世界は、脳にとって重要なものしか見えていません。見えていない部分にゴールの達成方法であったり関連することが含まれているのです。
脳の仕組みを知り、脳を味方に付け、見える世界を変えましょう。


 

目次

【RASとスコトーマ】脳は重要なものしか見ていない

【ホメオスタシスとコンフォートゾーン】無意識の力

 


 

【RASとスコトーマ】脳は重要なものしか見ていない

見えている世界は人それぞれ違う

成功者とは、環境が良かったから成功したのでしょうか?確かに環境が与える影響は大きいですが、同じ環境にいる人すべてが成功するわけではありません。成功する人は、同じ環境にいても見えている世界が違うのです。逆に言えば、そのような人は逆境になったとしても、成功するための道筋が見えるのです。
脳の仕組みを知れば、その方法が見えてきます。そして現代人が成功するチャンスにとても恵まれていることにも気づくはずです。


見える世界はそれぞれ異なる。

私たちの脳は膨大な入出力装置です。五感の入力情報の全てが認識されているわけではなく、重要なことしか認識に上がっていません。脳のフィルターを通して重要なことだけが認識に上がるようになっていて、ほとんどの情報は認識に上がっていないのです。何かに集中したら、痛みを忘れてしまったことがあるでしょう。このように常に全ての情報が意識に上がっているわけではないのです。
見えている世界も同様で、真隣にいる人でさえ、認識に上がっている見えている世界は異なるのです。サッカーの経験者と未経験者が同じ試合を見ても、見え方が異なっていると言えばわかるでしょう。

ですから例え成功のチャンスに望まれていても、それを認識できなければ永遠と成功の道筋に気付けないのです。

実験

では、これから簡単な実験をしてみましょう。読みながらで結構です。

①文字を読むことに集中してください。
今、この文章を読むのに携帯電話やパソコンなどのディスプレイを見ていると思いますが、画面の文字を読むことに重要度が上がっているため、それ以外には意識が向いていません。
しかし画面の中には時計表示があるはずです。(出ていない場合もあるかもしれません)表示があれば視界に入っています。しかし、目に入っていても重要度が下がっているため時計の表示は見えていないのです。

このように、重要ではないものが見えなくなることをスコトーマ(=心理的盲点)と言います。

②では続きです。
今度は画面ではなく、まわりに意識を向けて時計を探してみてください。時計であればなんでも構いません。
その瞬間、ありとあらゆることを考えて時計を探し出すのです。壁掛け時計、腕時計、テレビの時計表示、などなど。ないと思っていても、意外と身の回りに時計はあるものなのです。

このように、重要なことだけ認識に上げ、重要ではないことを認識に上げない脳の機能のことを網様体賦活系:Reticular Activating System、略してRAS(ラス)と言います。

重要度を上げて意識すれば気づくことは多くあります。ですが普段はスコトーマで隠れてしまっているのです。ですから私たちは何事にも気付いているつもりになっていますが実はスコトーマだらけなのです。
要するにスコトーマを外すには、重要度を上げなければならないのです。

③では、最後に質問です。
時計を見ずに思い出してください。
「今の時間は何時何分でしたか?」
このように質問すると、多くの方が答えることができません。
時計とは時間を知る機能を有しています。しかし、時計を探すことに重要度を高めただけで、その機能が簡単に隠れてしまうのです。

私たちは、目の前の見ていると思っている世界ですら、しっかりと見えていないのです。

RASとスコトーマの関係

私たちが見ている世界はスコトーマだらけです。
同じ環境でも成功する人には、達成方法が見えたのです。その違いはどれだけ成功したいか、ゴールを達成したいかという目的達成の重要度の違いなのです。
重要度が上がることでRASが働き、スコトーマが外れて見えるようになるのです。
これが脳のRASとスコトーマの関係なのです。
そして、この重要度のことを重要性評価関数と言っています。

重要性評価関数を書き換える

スコトーマ(心理的盲点)を外すには、重要性評価関数を高めなければなりません。その重要性評価関数を高めるのがゴール設定なのです。ゴール設定が重要性評価関数を変えてRASが働き、スコトーマが外れることでゴールの達成方法が見えるようになってくるのです。


ゴールへロックオンする

当然のこととして、重要性評価関数が変われば今まで重要と感じていたことが重要じゃなくなります。
コーチングをすると飲酒をしなくなったりテレビを観なくなったりしますが、それはその本人のゴール達成には関係がなく、重要度が下がったためなのです。

【ホメオスタシスとコンフォートゾーン】無意識の力

超強力な無意識の力

ゴールを設定しただけでは現状を変えることは困難です。
なぜなら、私たちにはホメオスタシスという現状にとどめさせようとする無意識の力が働いているためです。ホメオスタシスとは体温を一定に保ったり、心拍数を平常に保とうとする恒常性を維持しようと働く恒常性維持機能のことです。
なぜ強力かといえば、現状を維持することが生命維持にとって最も安全だからです。その最も安全な状態を保とうと無意識に働くのですから超強力なのです。
まわりの環境の変化の度に体温や心拍数は変動しません。運動などにより一時的に変動はしてもその後は元の一定値に必ず戻ります。元の一定な状態に戻るのです。
そしてこのホメオスタシスは、個々の情報空間にも働いているのです。

良くも悪くもコンフォートゾーン

コンフォートゾーンとは言葉のごとく、「居心地のいい空間」のことです。自分が落ち着いていられる空間をコンフォートゾーンと言います。ただしこれは現状のことを言うのであって、良い悪いの判断はありません。

例えばゴミばかりに囲まれているゴミ屋敷の住人は、そこがコンフォートゾーンなのです。良くないと思っているかもしれませんが、無意識は慣れ親しんでしまっています。
逆に高級ホテル住まいが当たり前の人たちもいます。その人たちにとってはそこがコンフォートゾーンなのです。
もしもこの二人が入れ替わり逆の生活をした場合、それぞれ居心地が悪くなってしまうのです。
高級ホテル住まいの人がゴミ屋敷に行ったら不快に感じるのは想像できるかもしれません。しかし、実際にはゴミ屋敷の人も高級ホテルに住み始めると、はじめは居心地の悪さを感じてしまうのです。

コンフォートゾーンとは慣れ親しんだ空間のことであり、良し悪しの判断ではないのです。
スポーツ選手であれば、普段のカテゴリより上げたり、いきなり世界の舞台に出ていくと本来の力が発揮できないのはこのためです。

ホメオスタシスは情報空間にも働く

不慣れな場所などへ行って場違いを感じると、動悸や発汗や緊張などします。これは現状の慣れ親しんだコンフォートゾーンから外れたことによって起きるホメオスタシスの働きによるものです。場違いを感じたことで元のコンフォートゾーンへ戻ろうという力が働くのですが、元へ戻ることができれば安心することができるのです。
このようにホメオスタシスは体温維持のような体という物理次元に対してだけでなく、心という情報空間にも働いているのです。
上記のように捉えれば、至極当然のことなのです。

コンフォートゾーンを変えない限り、ゴールを設定しても現状に戻ってしまいます。
これはホメオスタシスという強力な無意識による脳のからくりなのです。

逆にホメオスタシスを味方にできれば現状を変え、ゴールをどんどん達成させていくことが可能になるのです。