コンフォートゾーンをつくる

ホメオスタシスが働くコンフォートゾーンは、現状維持に働きます。それを打破するには、ゴール側のコンフォートゾーンを作る必要があります。
ゴール側のコンフォートゾーンの作り方、そのための方法論です。


 

目次

無意識に行っている判断や選択を変える

セルフトークがセルフイメージを作る

ホメオスタシスが働くゴール側のコンフォートゾーンを作る

I×V=Rの公式:ゴール達成イメージの臨場感が大切

 


 

無意識に行っている判断や選択を変える

ホメオスタシスを味方にできれば、次々とゴールを達成させていくことが可能となるのです。そのためには現状のコンフォートゾーンを抜け出せばよいのですが、まずはブリーフシステムを変えていく必要があります。

ブリーフシステムとは

ブリーフシステムとは、私はこういう人間だという、「信念体系」のことです。過去の体験や他人からの評価を受け入れることで出来上がっていきます。

例えば、何度も同じ失敗をしてしまううちに「自分は何をやっても失敗してしまうやつだ」などと決めつけてしまいます。未来に起きることと過去の出来事には関連性がないにもかかわらずそのようなブリーフシステムができあがってしまうと、新しいことをしようとするたびに「どうせ失敗する」というような考えが生まれてしまいます。

また、親から「あなたは落ち着きがない」など言われ続けるうち、どこかで受け入れてしまうと「自分は落ち着きがない奴だ」というブリーフが出来上がってしまいます。これは親からに限りません。他人から「お前は〇〇だ」と言われるのを受け入れてしまうと、そのようなブリーフシステムが形成されてしまうのです。
他人から「お前は〇〇だ」と言われても、気にも留めていなければ関係ありません。ですが何度も言われたり、「絶対にお前は〇〇だ」とか、「あんなことしてるからお前は〇〇だ」などと言われるうちにそれを受け入れて形成されていきます。
他人からの評価と書きましたが、受け入れなければブリーフは形成されません。ですから、他人のネガティブな評価は一切受け入れる必要はありません。逆にポジティブな評価はどんどん受け入れていけばいいのです。悪いレッテルを張ってくるような人の傍にはいないのが無難です。

このようにブリーフシステムがあなた自身の信念体系を強固にしているため、現状のコンフォートゾーンに縛り付けているのです。このブリーフシステムを変えていかなければ現状に縛られてしまい、ゴール達成の妨げになってしまうのです。

無意識の選択を変える

ハビット・アティチュードというものがあります。それぞれ「ハビット:癖、習慣」「アティチュード:態度、心構え、気持ち」という意味です。
私たちは普段多くの選択の場面があります。しかしそのうちの多くの選択はハビット・アティチュードによって無意識のうちに行われているのです。

例えば「コーヒーにしますか?紅茶にしますか?」と問われたらあなたはどう答えますか?
私は多くの場面でコーヒーを頼んでしまいます。考えることなどしていないと思います。
それによって、季節に応じた紅茶を用意してくれていたとしてもそれを味わうことなくいつもと同じコーヒーを味わっているだけなのです。

どちらが良い悪いの話ではありません。ほとんどの場合が近親者の影響ですが、そのハビット・アティチュードによって思考を介入させずに無意識に選択肢を狭めているのです。

ブリーフシステムを変える

ブリーフシステムを変えるには、このハビット・アティチュードを変える必要があるのです。
それはとても簡単にできます。

いつもと違うことをする

正にコーヒーばかり頼む人は紅茶を。紅茶ばかりの人はコーヒーを。さらに選択肢があるのならば、今まで頼んだことのないメニューを選択してみるのです。
頼んでみればわかりると思いますが、不思議な感覚が生じるはずです。それは今までのブリーフシステムが書き換わるためです。当然ですがスコトーマも外れ、新たな感覚が入ってきます。

選択を広げていく

飲み物だけでなく、食べ物、通っているお店を変えてみるのは簡単にできると思います。普段、歩いたことのない道を歩くのも非常に有効です。
その時、どのようなことにRASが働いているかも観察してみてください。あなたの重要度がわかってきます。そして、話したことのない人と話してみるのも面白い発見があります。

趣向が変わり、スコトーマが外れていくことが体感できるはずです。
新たな選択をして、嫌だと感じたらそれはそれで大丈夫です。それが意味することは、思い込みだけでなく「実際に私には合わなかったんだ」と認識できたということです。

それよりも大切なことは一つのことに固執せずに新たなことをどんどん受け入れるアティチュード(心構え)を持ち、ハビット(癖)を変えていくことで新たなブリーフシステムが形成されていくのです。
そしてこれが現状のコンフォートゾーンを抜け出して、ゴールを達成させていくマインドにつながっていくのです。

ゴールを達成させているあなたはどのようなあなたでしょうか?
ハビット・アティチュードを変えブリーフを書き換えていきながら、なりたいあなた自身のイメージを作っていきましょう。
あなたが望む“あなたらしさ”は作ることができるのです。

セルフトークがセルフイメージを作る

セルフトークとは、自分自身で語りかけている言葉のことです。人は無意識のうちに一日に何万回もこのセルフトークをしているのです。何万回もです。
もしもネガティブなセルフトークを何万回もいていたらどうなるでしょうか。脳はそれを記憶として固定してしまい、ネガティブなあなたのイメージを強固に作ってしまうのです。
ですから逆に、セルフトークをポジティブにすることができれば、あなたのイメージはポジティブなものに変えることが可能になるのです。
この自分自身のイメージのことをセルフイメージと言います。

セルフトークは意識に上げることが可能です。意識に上げることが可能ということは、コントロールが可能なのです。これは呼吸と同じです。呼吸は無意識にしていますが意識に上げてコントロールも可能なのです。意識することができることはコントロールできるのです。
もしも何かの挑戦の際に「失敗するかもしれない」などネガティブな感情が出てきたら「絶対に成功できる」というようにセルフトークをポジティブにコントロールしてください。
セルフトークがセルフイメージを形成していきます。「絶対に成功できる」と思えば、「成功」にロックオンされて「成功」するための方法を脳は創造してくれます。

脳は、主語や否定語を認識しない

これは後ほどアファメーションで詳しく説明をしますが、脳は主語や否定語を認識しません。
他人のことを評価しているつもりでも、脳は主語を認識しない為にあなた自身を評価していると勘違いしてしまうのです。

意地悪じいさん、ばあさんを思い出してください。この人たちは他人に対してケチばかりつけているような人です。この人たちは、自分自身が正にそのような人になってしまっているのです。
逆に、他人の良いところばかりに気付き褒めてくれる人はどうでしょう?ものすごく優しく、尊敬される対象になっているのです。
このように脳は主語を認識しない為、他人への評価がそのまま自分自身のセルフトークとなってセルフイメージを形成しているのです。

他人のよいところを探す

他人の良いところを探し、褒めてあげてください。するとセルフトークがポジティブなセルフトークになります。他人に対しても自分に対してもポジティブなセルフトークになり、ポジティブなセルフイメージができあがっていくのです。
この効果は絶大です。他人との関係性も良くなりますし、自分自身のセルフイメージもポジティブなものになるため、良いことばかりでデメリットは一切ありません。

セルフイメージをポジティブにするには

セルフトークをポジティブにコントロールできれば、セルフイメージをポジティブに変えることができるのです。
そしてセルフトークのコントロールと同時に「他人の良いところを褒める」ことが、とても効果があります。

このように、無意識の選択を変えていくことで現状に凝り固まったコンフォートゾーンを崩していくことができます。違和感を感じたりしますが、現状の外側にRASを働かせていると感じると楽しくなってくるはずです。
現状の外側に目を向けることで多くの視野を持てるようになるでしょう。しかしそれだけではゴールは達成できません。目的地であるゴール側に向かう必要があります。ゴール側のコンフォートゾーンを作っていきましょう。

ホメオスタシスが働くゴール側のコンフォートゾーンを作る

ゴールをコンフォートゾーンにする

ここまではセルフイメージを変えていく方法の解説でしたがここからはゴールを達成させていくコーチングスキルに迫っていきます。
仕組みは簡単です。現状ではなく「ゴール側のコンフォートゾーンが当然」になればよいのです。
私たちはコンフォートゾーンを外れると“不快”に感じ、強力なホメオスタシスが働いてコンフォートゾーンに戻そうとするということは前に書きました。

例えば「働かない自分」というセルフイメージがある人はあらゆる理由を天才的に作り出し、働かないことを考え出します。仮病はまだかわいい方で、終いには本当に病気になったりもしてしまうのです。病気になってしまえば働かなくて済むからです。
このように現状から離れることをありとあらゆる理由を作って拒むことを「創造的回避(クリエイティブアボイダンス)」というのです。創造的回避とはホメオスタシスが現状維持に働いてる状態なのです。

ですから逆に、コンフォートゾーンをゴール側に移行させてあげるのです。
ゴール側がコンフォートゾーンになれば、ゴール側のコンフォートゾーンヘホメオスタシスの力が働きます。すると今度は天才的にゴールの達成方法が次々に見えるようになるのです。

認知的不協和

ゴールを達成している自分が当然になったとき、すなわちゴール側がコンフォートゾーンになると、現状には満足できずに不快に感じます。この状態が正に認知的不協和の状態です。
認知的不協和が起きると今の自分に対してイライラしたり不快に感じたりします。ですがとても良い兆候です。ゴールを達成するためにRASが働き、天才的にゴールの達成方法を作り出していくのです。

「バリバリ仕事をこなしている」が当然の人にとって、時間があれば次の仕事に対してできることを考えるし、そうでなければ本を読んだりして新たな情報収集を収集したりします。

RASが働いて必ずスコトーマが外れてきますので、俯瞰して楽しんでみるのも手のうちです。

I×V=R:ゴール達成イメージの臨場感が大切

コーチングにおける黄金の公式I×V=R

コンフォートゾーンにホメオスタシスの力が働きます。ですから、ゴール側をコンフォートゾーンにすることができれば、ホメオスタシスの強力な力がゴールへ自然と働くのです。
現状よりもゴール側のコンフォートゾーンを脳が当然だと認識できればよいのですが、そのための公式が「I×V=R」です。

□I(Image):ゴールイメージのこと。
□V(Vividness):臨場感、鮮明さ。五感情報などの臨場感。
□R(Reality):リアリティーのこと。

脳は、現状とゴール側のコンフォートゾーンでは、よりリアリティーが高い方にホメオスタシスが働くのです。そのリアリティーを上げるのが、IとVの積。
つまり、「より詳細なゴールイメージ」を「より鮮明に」することができれば、脳は現状よりもリアリティーが高いと判断しホメオスタシスが働くコンフォートゾーンになるのです。

「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、その一見ですら体感には敵いません。体感は、五感情報全てで感じているわけです。
ですからもしもできるのであれば、ゴール側の場にどんどん足を運んで体感することが臨場感を高めるには最も早いのです。

ここで疑問になることがあります。ゴールは現状の外側に設定するため、スコトーマで隠れているのですから「より詳細なゴールイメージ」を「より鮮明に」することは矛盾のように感じるでしょう。
しかし、それでよいのです。
まだ小さい子が将来ヨーロッパで活躍するサッカー選手を夢見ることが正しいのです。
「それが当然!」と思えるくらいのリアリティーになってしまえば、それを達成させるためのあらゆる方法(練習、知識、必要な経験)を生命維持の如く当たり前としてやってしまうのです。
そんなハードな練習は身体を壊すと思うような練習でも、彼らにとってはゴール達成のために当然のこととしてやってのけてしまいます。

現状のコンフォートゾーンの方がリアリティーが高いと感じるかもしれません。しかし、現状のコンフォトゾーンですら、実際に存在しているわけではありません。私たちの脳がコンフォートゾーンと感じているに過ぎないのです。
ですから、あなたが達成させたいゴールをコンフォートゾーンにしてしまえばいいのです。
そうなれば現状には満足できず、自然とゴール側の高みを目指して行動しているのです。
つまり、ゴール側のコンフォートゾーンへホメオスタシスが働くのです。実際にあなたがゴールを達成させるときの状況はその時にならないとわかりません。ですがそれを鮮明に臨場感高くイメージすることは可能なのです。

IVRは最強の公式です。常に「より詳細なゴールイメージ」を「より鮮明に」することを意識してください。